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第19回
食うべきか 食わざるべきか それが薬草・毒草だ
1.庭に有毒植物を植えても大丈夫?
 Dr.グリーンのQ&Aコーナーに「子供がいるんですが、庭にヒョウタンボクを植えて、その根元にトリカブトを植えても大丈夫でしょうか」という質問が…さすがにこれまで一件も寄せられたことはない。 しかしヒョウタンボクやアセビ(アセボ、アシビ)やキョウチクトウについては、「それぞれ庭に植えたいのだが、いかがなもんであろうか」という質問は何件か来た。これには困った。 ヒョウタンボク(キンギンボク)の赤く熟した実も、アセビの白やピンクの優し気な花も、キョウチクトウの花も葉も、子供が突如異常な嗜好を示して口に入れさえしなければ何でもないのだが、口の中でクチャクチャしてからゴックンしちまったとなると、 ヒョウタンボクの実なら5〜6粒ならさほど心配はなく、アセビの小花の2〜3花ならたいした下痢にもつながらないのだが、間違ってキョウチクトウの葉を丸々4、5枚がとこ食っちまったとなると…これは相当酷いことになるかも知れない。いや、絶対なる。

 私の経験ではヒョウタンボクの実は、その甘くジューシーな実を5〜6粒食ってみたが、全く何ともなかった(よい子とそのご父兄は絶対に真似をしてはいけません。 なんせヒョウタンボクの別名は、双子成りのほかにあな恐ろしやのドクブツ、ヨメコロシなのですから)。また強力な毒成分を含むアセビの花も、小花を3花だけ飲み下したことがあるがこれといった異常は発生しなかった。 しかし、キョウチクトウに限っては、さすがに私も前歯で噛って舌の先で味を確かめるや、すぐにペッと吐き出したことはあるが、半ペラとてむしゃむしゃ食っちまった経験はない。何故ならキョウチクトウは、知る人ぞ知る全草猛毒植物であるのだから。 事実これまでの人類史上、いったい何人の人がこのキョウチクトウ毒で悶絶し、ゲーゲーピーピーのたうちまわり、ピーポーピーポーと救急車で病院へ運び込まれたことか!!

 以上庭にキョウチクトウを植えることは、花を見るだけなら何の問題もないのだが(病害虫も極めて少ない)、いざその葉や花を食わずにはいられなくなる人のいる家では決して植えてはいけない植物なのである。 そしてこの文面を読んで初めてエエーッと驚いた人は、これほど怖しい劇毒植物のことについて何も知らない位なのだから、きっとほかの強弱様々の毒を持ったおびただしい数の有毒植物のことについては、ほとんど知っているはずはないだろうから、 もしものことがないように、ここに私達のごく身の回りに生息している有毒植物のことについて、分りやすく要点だけを羅列していくことにする。

 ただしこれから羅列する植物を非難することだけはやめていただきたい。彼らには何の罪もないからである。罪があるといえばそれはむしろ彼らを食う側にこそある。 であるから一方的に食われる側の彼らは、自らが食われまくってこの地球上から抹殺されてしまわないように、恐らく仕方なく自己防衛の為に毒を持つようになった。しかし毒を持つということは、それなりに相当余分なエネルギーを消費することでもある。

 彼らは彼らの実存・生存活動中の最大目標として、まずは花を咲かせ実を成らせるという膨大なエネルギー消費を行うのであるが、その上さらに、やらなくてもいいなら決してやりたくはないであろう毒成分の生成という全く余分な分野にまでその大切なエネルギーを振り分けているのである。

 かくして彼らのこの必死の努力を知った以上は、これから我々は「飲んだらのるな」とともに「知ったら食うな」「食うなら死ぬな、ほどほどに」を肝に銘じていくしかない。 そしてこのコーナーをじっくり味わった上で、さらにさらにその毒草にチャレンジする人がいるとしたら、その人は相当な根性の持ち主である。きっと私といい仲になれる。なんとかお互いに生き延びていられたとしたならば…。
 ではヒクヒクする前に本題にとりかかることにしよう。

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Dr.グリーン特別講座 野草・山草の食べ方

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