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第17回
新・風姿花伝
― 人は何故植物を枯らし続けるのか −
― 鉢花・山野草を枯らさないための秘伝公開 ―
【このコーナーを見ずして水くれを語るなかれ】
3.この輪廻転生的現象を断ち切るには?
 この輪廻転生を断ち切るには、ただひたすら植物・鉢ものへの水やりを続けるしかない。しかし水やりを続けるといっても、ただ気づいた時に水をやるというのは、典型的な植物栽培のど素人のやることである。そして植物栽培のプロとは、水やりのプロと言ってもよい。例えば鉢ものへの水は「その鉢ものが最も水を欲しいと思っている時に、欲しいだけやる」というのが最大のテクニックである。しかし人間一人が一鉢だか数鉢だかの鉢のために、その時間の割り振りをその鉢ものに縛り付けられてしまうのでは人間が大切か、植物の方が大切か、ああ生きるべきか死ぬべきか、なんてへんてこりんな世界に迷い込んでしまうことになる。そこで私はこう主張したい。「水やりは春一、夏二、秋一回、冬は三日か、十日か、二十日に一回」と。

イチリンソウやサギソウやオミナエシや世界各地から日本に集まる「鉢花」たちは、種類によって色々な水のやり方に分けられるのだが、だいたいが「春一、夏二…」タイプに属するものが多い。なんだか貝原益軒の「養生訓」を読んだ人には「春一、夏二…なんて、それはあまりに荒淫というものではないか」とおもわれるであろうが、まあ和のもの、洋のものも水好みのタイプはこのグループに属すものが多い。

 ただしこれを守っても、つまり水やりはその植物の特性に合わせてちゃんとやっているのだけども、それでも植物がおかしくなったという質問はあとを絶たない。そしてその場合の原因の多くは、後述するが「植え土用土」の不適切さ、本音を述べちまえばおよそ考えられないほどの植え土の劣化、不潔化、悪質化にある。用土については水と同じく植物の健全育成のためには極めて重要な要素なので、この水の章が終ったら、ただちに土の章としてとりかかる。  その前に水のことを徹底的にのべまくる。今後いっさいの水かけ論が発生しないように、一気呵成に述べるので、まとめの方は皆様の方でよろしくお願いしたい。

珍しいイトバシャクヤクを
オーソドックスな鉢に植え込んだ。
土の量が多いので水持ちは良い。
過湿を嫌うアサツキ。
用土は砂礫主体で
水はけを良くしてある。
稀少種の白花ウズキキョウを
ミソハギと笹リンドウとで寄せる。
水をやる時はたっぷりと。
小鬼ユリとワレモコウと
ノカリヤスの寄せ植え。
器が小さくても水やりに心を配れば
美しく咲き続けてくれる。

(写真提供:近代出版)

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