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第16回
梅盆栽 短枝開花のための三つの方法
(その1)梅の葉っぱも土用干し
 このサブタイトルも今回私が発案いたしました。梅干作りにとって梅の三日三晩の土用干しは大切な作業ですが、梅盆栽でも、各枝に花芽を付けさせようとしたら、この土用干しが非常に有効な手段となります。ただし実と違って、葉は木からちぎって干すのではありません。ここんところを間違えられると、秋には私が高々と吊るし柿にされる恐れもありますので、葉は絶対ちぎり取らず、一枚一枚を大切に枝につけたまま、鉢全体を、そっくり土用干しすることにしましょう。

 まずなぜ梅の木を土用干しするのか…。それは梅の木を若葉展開期から土用にかけて、常に「ああ喉が乾いた、水がほしい。水・水・水がほしい」という状態にすると、梅の木はのどが乾いただけではなく、このままだと俺は水不足で枯れてしまうんじゃないだろうかとあせりまくるのでしょう。それなら間に合うかどうか分らないけど、ここは思いっきりパッと花を咲かせて実をつけて、それでせめて俺の子孫だけは残してやろうと…するのです。

次に分りやすいように「土用干し」という言葉をつかいましたが、この「水を辛くする」もしくは「ぎりぎりまで水やりのタイミングを遅らせる」という方法は、梅の新梢が総体に15cmも伸びた頃から始めて、梅の花芽形成…つまり蕾は7月後半には出来上がるので、ほぼ7月いっぱい行こうと思っておけばよいでしょう。

この期間は、いいですか、ここがとても大切なとこなので、よーく読んでちゃんと理解して下さいね。この期間は、「梅の鉢に毎日朝一回と夕方一回、たっぷり水をやります」という普通の鉢ものへの水やりは行いません。まず朝一番に梅の鉢をじっくり観察します。特にその葉をしっかり見るのです。 この時すべての梅の葉が、葉柄部分に力が無く、だらりと下がっているようなら、鉢梅は完全に水不足なのですぐにたっぷり水をやって下さい。葉が葉柄部分で垂れ下がったようにならず、ピシッとしていたら、梅はまだ水分が充分なので水はやりません。そして太陽にガンガン当てて、ヒェー、もうだめ、喉が乾いて乾いてもう死にそう、早く、水を水をと梅がいい出したら、その時たっぷり水をやるのです。

あるいは新梢が15cmを超えて20cm以上に伸びるころには、水が切れると新梢の先端はだらりと下に垂れ下がるようになります。こうなったらたっぷり水をやります。すると梅の枝はすぐにすべてがピンとなるのですが、このグターとなった時を長くすればするほど花芽は確実早期に「各枝のより枝元の葉柄部分に形成」されていきます。これが土用干しです。

これに対して新梢の先が垂れ下がるまでの水分制限をしないで、いつもたっぷりの水をやっていると、梅の枝はごきげんでどんどん長く伸びて、しかも枝元の葉の葉柄部分には葉芽のみが形成され、花芽は長く伸びた枝の先の方に、やっと土用すぎに形成されることとなり、まるで盆栽とは見なされない一物になってしまいます。

以上、梅の枝のつけ根に花芽を形成させるために、いかに土用まで水を辛くすることが大事か、よーく分りましたね。

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