ガソリンスタンドで花粉症とたたかいながら接客をやり遂げたお話

2020年4月16日

“(毎日続く花粉症)
これは11年前のお話です。
日本人に今ほど花粉症を発症している人の割合も当時は少なかったと思います。
当時、十代だった私が勤めていたのはある国道沿いに面したガソリンスタンドでした。
今とは違い、フルサービスとセルフサービスの割合は半々というところでしょうか。
私が勤めていたのはフルサービスの方。
会社の中でも花粉症のスタッフは少なく、マスクをしていてもいつもくしゃみをしている私はよく周りのスタッフから笑われていました。
給油レーンから室内にある箱ティッシュまでの距離はかなり遠く、本来ならNGなのですがマネージャーから特別に許可をもらいポケットティッシュを常にツナギのポッケへ入れていました。

(自画自賛の発明)
ある日、ふと思ったのです。
マスクの下なら、鼻の中にティッシュを詰めておいてもバレないのではないか?
そう思い込んだ私は、早速マスクの下を鼻にティッシュを詰めた状態で出勤してみました。
勿論、マスクの下はお恥ずかしくて誰にもお見せ出来ない状態になっています。
「おはようございまーす。」
「おはよーさん。」
おぉ、良い調子。きっとバレていない。
それでも念のため、出勤時間が同じパートさんとも出勤前に話し込んでみました。
そのパートさんは女性の中でもとてもサバサバしている性格で、何か異変を感じるとズバッと言葉にするタイプ。
「いつもよりも鼻が詰まっている声だね~」とはいわれたものの、そんなパートさんとの話もいつも通り変わらず終え、私の自画自賛した発明に確信をもってしまったのです。
今思えば、持ってはいけない確信でした。

(給油レーンに立って仕事開始)
仕事開始時間はAM8:00。
いつも通りお客様の車に給油し、給油中に窓拭き・灰皿・ゴミの作業。
「よし、いい感じ。バレていない。」
午前中は市場のトラックもたくさん給油しにきます。
顔見知りの常連さんもたくさん。お客さんの態度もいつもと変わらない感じ。
その日変わっていたのは私のマスクの下。くしゃみも出ないし、鼻水も水のように垂れてくることもないし、どちらかというと最高の気分でした。
事件が起こるまでは。

(マスクの中で大爆発!!)
土曜日の出勤で、天気も晴れ。
スタンドでは忙しくなることがわかっていた、洗車日和でした。
本来なら午前中に15分の休憩をはさんでから昼休憩の流れなのですが、忙しくなってきたことにより午前中の休憩は省かれスタッフ全員が忙しく働いていました。
私も洗車をしたり、給油をしたり、マスクの下の鼻に詰めたティッシュすら忘れてせわしなく業務に追われていました。
給油レーンに入ってきた、いかにも高級車であろうお客さんから声をかけられ、「手洗い洗車と車内清掃お願いできる?」と洗車の受付を始めることになりまりました。
その高級車のお客さん、当店の利用は初めてということで洗車のメニューを一から説明することになりました。
メニューの載っているファイルをお見せしながら説明している最中、事件は起きてしまったのです。
忙しくて忘れていたマスクの下の鼻ティッシュ…。
いつものように鼻がムズムズし、いつものようにお客さんから顔を背けてくしゃみをしました。
すると、詰めていた鼻のティッシュがマスクの中で大砲のように発射され、溜まっていた鼻水爆弾が大爆発してしまいました。
内心頭の中は真っ白。しかし、お客さんはくしゃみをしたこと以外何も気づいていない様子。
マスクの下は発射されたままのティッシュと大爆発を起こした鼻水まみれ…。
しかし、今は接客中…。
私は何もなかったかのように「失礼いたしました」と一言添えて、洗車の説明から受付、そして車の移動をしました。
もう一度言わせてください。
マスクの下は発射されたままのティッシュと大爆発を起こした鼻水まみれです。

(大失敗への反省)
その後、ダッシュでトイレに駆け込みました。
勿論、目的はトイレではなくマスクの下の処理。
詰めていたティッシュは両方ともキレイにはじき出され、マスクはもう使い物にならない状態でした。

11年経った今も当時のスタッフには誰にもバレることなく終えましたが、その事件からというもの…
一歩外に出る限りは鼻にティッシュを詰めるのはやめようと心に誓いました。
とはいっても、今になっては花粉症の人も増え、薬もすぐに手に入る世の中になったのでマスクすら付けずに過ごせる素晴らしい春を送っています。"