花粉症で始まり花粉症で終わった恋?僕と彼女の恋愛物語?

2020年4月16日

『花粉症で始まり花粉症で終わった恋』
 まさか花粉症のせいであんな体験をすることになるなんて夢にも思ってもいませんでした。
『出会い』
 僕が初めて彼女と出会ったのは1年前の春、大学の友達が開いた飲み会のことです。その飲み会に来ていた女性の中に絶世の美女が一人いました、照美さんです。僕は彼女を見た瞬間ドキッと心が動いた気がしました。しかし恋愛経験の少ない僕は彼女を見つめているだけで勇気が出ず、話しかけることができませんでした。飲み会が始まってから二時間半が過ぎ、そろそろお開きになりそうな空気になりました。「あぁ、結局僕の恋もこの一瞬で終わるのか……」とそう思っていたとき、僕に運命の瞬間が訪れます。「くしゅんくしゅん」と誰かのくしゃみが聞こえます。そのくしゃみの音は鳴り止まずその後も「くしゅんくしゅん」とくしゃみの音が聞こえてくるのです。「ごめん、私花粉症で朝に薬飲んだけど効果切れちゃったのかも」と照美さんが話していたのです。ティッシュと優しさだけはいつもポケットに忍ばせている僕は、ここぞとばかりに照美さんにティッシュを渡しました。「ありがとう」と優しい声で受け取ってくれました。そこから自己紹介をし、鉄板話『友達の城みちよ』を披露して飲み会を盛り上げ、その後世間話に持ち込み、二次会に誘いそこでなんとか連絡先を交換することができました。

『仲の良い関係へ』

 照美さんと連絡先をを交換してからというもの、僕は恋愛力を高めるために恋愛コラムをこれでもかと読み漁りました。すぐにメッセージ既読したいという気持ちを我慢して、10分時間を開けて返信したり、下ネタなんかは絶対にNG、優しい言葉遣いをを心がけてきました。そしてようやく彼女とデートする機会に恵まれ、二人っきりでドライブに行きました。
 江ノ島水族館に行って、イルカやアシカのショーや魚たちを眺めて、「可愛い」と言う彼女の顔を横目で僕は「可愛いのはお前だよ」なんて思いながら見つめているのです。そんなことを思う僕をキモいと思う人もいるかもしれませんが、それくらい僕は照美さんにぞっこんだったのです。
 水族館のあと僕たちは神社に行きました。僕は願いを込めてお賽銭を投げ入れました。もちろん「照美さんと付き合えますように」と願いました。このとき絶対に願いを叶えたかったので、事前にお金を両替し五円玉を十枚投げ入れたのは今でも秘密にしています。お賽銭のあと、照美さんに何を願ったか訪ねたところ「ないしょ」と言われました。かわいいです。
 夕方になり、浜辺に座り夕日を見ながらお互いの夢について語りました。まさに青春です。もはやこれは、「付き合っているのではないか、僕たちはカップルなのかもしれない」と錯覚するほどの良いムードで、心臓が破裂しそうなぐらいドキドキしました。本当に幸せな時間を過ごした気がしました。それからというもの僕たちは何度か食事をし楽しい時間を過ごしました。そして僕はこう思いました、「この照美という女は僕に惚れている。告白をしてフラれることなど100パーセントない」と。

『告白』

 ある朝起きると少し体がだるく風邪かなと思いました。しかし今、そんなことはどうでもいいんです。なぜなら僕は今日こそ照美さんに告白しようと思っているからです。ネットで大学生デートスポットランキングを検索し、その第1位の美しい夜景の見えるイタリアン料理のテラス席を予約したんです。
 約束をした時間になり、照美さんと合流しレストランへ入りました。学校の話や家族の話など、他愛のない会話をしてあっという間に一時間が立ちました。
程よくお酒も回ってきたとき、とうとう僕は照美さんに「照美さん、始めて出会ったときから好きです。僕と付き合ってください」と告白しました。前日に山崎賢人くんの映画を見て練習しただけあってうまく言えました。すると彼女は「ごめんなさい、私好きな人がいるの。」と言いました。僕の内心は「悲しい、悲しすぎる。もう帰りたい。なんで好きな人がいるに他の男とのデートに来るんだ」と思っていました。しかしそこは武士は食わねど高楊枝、男らしくいようと思っていました。「そっか。ごめん変なこと言って、これからも友達でいよう」と僕は伝えました。しかしその瞬間僕はぼろぼろと涙がこぼれ、だらだら鼻水が垂れてきたのです。照美さんが僕に「大丈夫?」と声をかけるほどでした。男らしくいるはずだったのに最低の最後になってしまいました。

『後日』

 後日、あれからずっと鼻水と涙が止まらなかったので、もしやと思い病院に行ってみると花粉症と診断されました。告白の日の朝のだるさも、あの大量の涙と鼻水も花粉のせいだったのです。去年までは平気だったのに、花粉症はいきなりなるものなのですね。照美さんにフラれ、花粉症にもなり悲しいです。ひとりになると神社で照美さんが願っていたのは好きな男のことなのかな、なんて考えてしまいます。
花粉症で始まって花粉症で終わった恋、花粉症のせいで悲惨な恋愛経験になってしまいました。